ペコちゃん金融

英語・金融の資格試験の受験記録と金融業界の動向についてのコラムを書いています。英語資格は国連英検特A級(2019年8月)、英検1級(2018年6月、東京都上位1%)、TOEIC 990を取得済(2015年10月)。金融はCMA、CIIA、CFA Level Iに合格し、現在2021年5月のCFA Level IIの結果待ち中です。金融業界の分析についてはこれから始めるところですが、投資銀行を中心にメディアの情報を拾い、自分なりの考えをコラム形式で書いていこうと考えています。

英検1級: 一次試験対策【リスニング】

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リスニングについて書いていきます。リスニングは約35分間で27問に答える試験で、1問の正答率への影響が4技能中で最も高くなっています。少しペースを乱すと数問を簡単に失うため、注意が必要です。

 

構成は日常会話10問、長文聴解5題×2問の10問、日常アナウンス5問、インタビュー聴解1題×2問となっています。日常会話はTOEICなどよりも会話の量が多いですが、話し手のトーン(ネガティブかポジティブか等)も参考にできるので、ある程度選択肢を絞りやすいセクションです。ただ、会話の細部に関する思いがけない質問も出るので、注意して全ての会話を聴く必要があります。長文聴解は、リーディングと同じレベルの長文を耳だけで理解して解答する必要があるので、非常に難しいです。一度、「相対性理論量子力学の矛盾」という問題が出て、手も足も出ませんでした。このことから、長文読解はリスニングで最難関とよく言われます。こちらも分量が多くメモを取る余裕さえ与えられないので、可能な限り全てを聴いて頭で覚えるという作業が必要になります。聴解力に加え、理解力、暗記力が試されます。日常アナウンスは、空港や留守番電話、大学の講義などで紹介される選択肢や次にすべきことなどを聴いて答えるというものです。内容は平易ですが、時々引っ掛けも入っているので、素直に聴いたままの単語を選ぶと間違えることがあります。最後のインタビューは、ラジオ番組における社会活動家や学者など、各分野の専門家へのインタビューを模して作られています。とにかく分量が多いので、問題に関連する情報を聞き逃さないよう、細心の注意を払う必要があります。メモを取る余裕もあまりありません。

 

リスニングの対策に使用したテキストですが、リーディングの長文読解と同様に過去問と予想問題集が中心でした。予想問題集はリーディングが7回分ある一方でリスニングが2回分しかないため、旺文社のリスニング問題150を解いた上で、末尾に付いている模試5回分を解いて、7回分の模試を解いた格好を作りました。

 

【CD付】7日間完成 英検1級予想問題ドリル 新試験対応版 (旺文社英検書)

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英検1級リスニング問題150 (英検分野別ターゲット)

英検1級リスニング問題150 (英検分野別ターゲット)

 

 

また、上記に加え、最近登場したジャパンタイムズのリスニング問題完全制覇も恐らく使えると思います。ジャパンタイムズのシリーズは語彙問題、英作文問題ともに素晴らしいクオリティですので、使い勝手は良いのではないかと想像します。 

(CD-ROM1枚&無料音声DLつき)最短合格! 英検1級 リスニング問題 完全制覇 (英検最短合格シリーズ)
 

 

実際の自分の出来ですが、各問題の分量が多すぎて最初は全く内容を覚えられず、辛うじて64%を取ったというのが初回でした。絶望的な気持ちになったのを覚えています。そこからは、仕方がないので聴解力と暗記力の両方を鍛えようと解答済のリスニング音源を会社の行き帰りを中心に聴き続けました。

 

点数はなかなか伸びず、覚えていないポイントが問題に出まくるという状況に辟易しましたが、それでも旺文社の過去問6回分を終える頃には何とか70%を確保できるようになりました。自分は日常アナウンスとインタビューが苦手だったので、特に日常アナウンスをリスニング問題150のパート別問題を解くことで鍛えました。最初に当該の問題集で日常アナウンスを解いたときは、50%しか正解できませんでした。リスニングの内容をメモを取らずに覚えながら解くという作業を繰り返したことで、最終的には80%前後正解できるようになりました。前日に英検協会の過去問を解いたときには97%の正答率が得られたので、自信がつきました。

 

試験本番では、8/10、9/10、5/5、1/2の合計23/27、85%の正答率を得ることができました。問題の内容は大体聞けたのですが、やはり細部まで聴き取って覚えることができない問題が日常会話と長文聴解で出て、失点しました。インタビューは内容をきちんと把握することができたのですが、似た選択肢を短時間で読んで区別することができず、最後の問題で間違った選択肢を選んでしまいました。

 

このように、リスニングは過去問を解きつつ、苦手な分野があれば問題集を追加して練習するというのが王道のように思います。聴いた話を覚えておく暗記力も必要になりますので、その点も重視して取り組むのが良さそうです。

 

また、こちらは朗報ですが、旺文社の過去問や他のリスニング教材の音源は、読むスピードが本試験の音源よりも恐らく速いです。自分は市販の過去問、予想問題を解いた上で試験前日に直近の過去問を解いたところ、話のスピードが非常に遅いと感じました。これにより練習では97%を正解し、本番でも85%を正解できました。前日の過去問演習では本番を想定してスピーカーから音源を聴いたのですが、やはり反響等もあって本番の方がより聴きづらかったようです。過去問や予想問題をある程度解答できるようになったら、本番を想定して英検協会の過去問をスピーカーで部屋に反響させながら聴いてみるのが良いと思います。

 

最後に、リスニング能力と並んで重要なのが、気持ちの切り替えです。全問正解することはほとんどの受験者にとって不可能で、どこかで分からない問題が出ると思います。その場合には気持ちを早めに切り替えて、次の問題に集中することが重要です。割り切れば次の問題の先読みまでできますし、問題の頭から集中して聴くことができます。19/27の正解で70%に達しますので、最大8問は間違えても良いという気持ちで、落ち着いて臨むことが大切です。リーディングやライティングと違って問題を振り返ることができないので、この割り切りが大崩れを防ぐ上で重要です。

 

次回はライティングについて書きます!