ペコちゃん金融

英語・金融の資格試験の受験記録と金融業界の動向についてのコラムを書いています。英語資格は国連英検特A級(2019年8月)、英検1級(2018年6月、東京都上位1%)、TOEIC 990を取得済(2015年10月)。金融はCMA、CIIA、CFA Level Iに合格し、現在2021年5月のCFA Level IIの結果待ち中です。金融業界の分析についてはこれから始めるところですが、投資銀行を中心にメディアの情報を拾い、自分なりの考えをコラム形式で書いていこうと考えています。

英検1級: 二次試験対策【本番編 2.面接】

f:id:pekochanenglish:20180724124159j:plain

 

英検1級二次試験本番について、自分自身の体験を元に書きます。今回の投稿は前回の【本番編 1.会場入り~面接室入室】の続きです。

 

 

面接官の休憩時間が終わり、案内係兼タイムキーパーに面接室に通された後、外国人の面接官に着席を促されました。面接官は若い外国人の女性とシニアな日本人の女性でした。着席して荷物を隣の椅子に置いたところで両面接官から名前のみの自己紹介を受け、こちらの名前を聞かれました。こちらの名前を言った際、面接官は面接シートに記載された氏名と照合していました。

 

お互いの名前を言い合った後、カジュアルトークが始まりました。質問は"Please briefly tell us about yourself"と言ったもので、外国人の面接官からの質問でした。自分はここで普段している仕事の内容を説明しました。英語との関わりを含めたほうが良いと思ったので、海外オフィスとの日々のやりとりについても話しました。その後また外国人の面接官が"You seem very busy on your work. Could you tell us about your free time?"といった質問をしてきたので、週末どう過ごしているかについて話しました。

 

ここでカジュアルトークは終わり、面接のフローについてまた外国人の面接官から説明を受けました。カードを渡すので、1分間でその中から1つトピックを選んで準備し、2分間でスピーチするようにとの内容でした。カードはグリーンの大きなもので、字も読みやすかったです。面接では政治経済ネタで自分が話しやすいものにすると決めていたので、1番目に"Should a Government provide financial supports with Companies in difficult situations?"といった内容のトピックを見た時点でこれに決めました。他のトピックを読んで選ぶ時間がもったいないと思ったのと、一度政治経済ネタが出れば他には出てこないという感覚があったので、2.以降のトピックは全く見ませんでした。

 

考慮時間は50秒ほどできたので、ある程度ゆっくりと主張と理由を考えました。答はNoとし、理由を1. 米国での金融危機の際に政府の支援決定に対する世論の反発が出たことがあった、2. 欧州では政府の支援予算の限界から投資家や債権者に負担を強いる規制を敷いている国がある、という内容としました。普段仕事で関わっている分野でもあったので、ある程度は話せるという自信がスピーチ内容を考えている時点では生まれ、落ち着いてスタート時間を待てました。

 

考慮時間1分が経過すると、外国人の面接官がどのトピックを選んだか聞きました。こちらでトピックの1文を音読し、2分間のスピーチに入りました。最初の段落は英作文完全制覇のモデルエッセイにあった"Some argue that ... . However, I believe that ... "という反対論の可能性を述べてから自分の意見を言うテンプレートを使って話しました。最後は後に述べる例の数が分かるよう、"for the following two reasons"という形で終わらせました。

 

2、3段落目は上記の理由を最初の1文ずつで述べた上で、その理由付けを2-3文で話しました。2段落目は一般市民からの反対がある中で政府が強硬に支援決定を実施するべきではないとの内容を話した上で、過去にアメリカで起きた金融危機時の反対運動を例に挙げました。こちらは特に詰まることもなく簡単に話せました。3段落目は欧州政府の中には独自の支援を行わないことを規制化する傾向があることを話した上で、具体例としてドイツやスイスのケースを例に挙げようとしましたが、自分の説明能力が伝えるべき内容に足りず、不明瞭になってしまいました。ここで日本人の面接官が分かりにくいといった表情をしたので補足説明をしようとしましたが、簡潔に1-2文を付け加えるということが難しく感じたので、残り時間を考慮して最後のまとめに入りました。制限時間より前にスピーチが終わり、外国人の面接官が"Have you finished your speech?"と聞いてきましたが、こちらも強引に付け加えられる内容もないと思ったので、"Yes"と答えました。

 

その後は4分間の質疑応答に入りましたが、やはりスピーチの3段落目の説明が分かりづらかったので、日本人の面接官から"Could you explain a little bit more about the regulations of the European countries?"と聞かれました。本来ならスピーチの内容について即座に質疑応答に入ると思うのですが、説明不足だった部分を明瞭にするための質問に変わりました。改めて説明する中では、スピーチのときよりもある程度分かりやすく話すことができました。

 

その次の質問はもう一度日本人の面接官から行われ、内容はJALに対する政府の財政支援についてどう考えるかというものでした。スピーチで財政支援をすべきではないという立場を取ったので、JALは日本の空運にとって不可欠であり、十分な支援理由があって一般市民との合意も取れていたので問題なかった、と条件が整っていれば支援も可という回答をしました。これには日本人の面接官もうなづいてくれ、意味が通る回答ができた実感を持ちました。

 

その次の質問は外国人の面接官からで、一般市民の税金を一部の企業に投入することは得策か?という内容でした。これは第2段落で話した米国の金融危機時に起きた世論の反発やOccupy the Wall Streetといった市民運動の例を出し、政府や議会と納税者である一般市民の間で合意が取れない限りは行うべきでないという回答をしました。この回答を終えたタイミングでアラームが鳴り、これで面接は終わりですとの案内を外国人の面接官から受けて退出しました。

 

退出後に面談を振り返り、スピーチで説明内容を正しく伝えられなかったことを悔いつつ、質疑応答でうまくいったことに満足しました。この時点ではもちろん合否は分かりませんでしたが、質疑応答の感触から、多分受かったという実感は持てました。

 

結果は翌週17日(火)13時に発表され、内容はほぼ印象通りでした。スピーチはやはり3段落目が足を引っ張って7点、質疑応答はスムーズに行ったこともあって9点、文法はスピーチの影響もあってか7点、発音は少し焦って練習したような発声ができなかったためか、6点でした。結果として合計29点、CSE623点での合格(合格点602点)でした。

 

スピーチの出来不出来はその時々で仕方がない部分があると思うものの、発音が全体の足を引っ張るのは問題だと感じました。発音に関しては英作文問題完全制覇のモデルエッセイを音源に沿って音読していたのですが、本番で自分で文章を作って話す中では再現できませんでした。発音を強く意識しない中でも自然に英語本来の発音で話ができるレベルまで徹底した練習を繰り返す必要があると思いました。今後国連英検特A級を受けるので、発音で減点されないよう、発音に特化したテキストを使って練習を行うようにします。

 

 

以上が英検1級二次試験までの勉強内容と本番の体験談でした。2018年度第2回以降に受験される皆さんの参考に少しでもなれば幸いです。今後英検1級の受験について追加したい内容が出てきた場合には改めて投稿します。長文にお付き合いいただきありがとうございました。