ペコちゃん金融

英語・金融の資格試験の受験記録と金融業界の動向についてのコラムを書いています。英語資格は国連英検特A級(2019年8月)、英検1級(2018年6月、東京都上位1%)、TOEIC 990を取得済(2015年10月)。金融はCMA、CIIA、CFA Level Iに合格し、現在2021年5月のCFA Level IIの結果待ち中です。金融業界の分析についてはこれから始めるところですが、投資銀行を中心にメディアの情報を拾い、自分なりの考えをコラム形式で書いていこうと考えています。

国際公認投資アナリスト(CIIA)受験記録 〜試験対策全般〜

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国際公認投資アナリスト(CIIA)の試験対策について書いていきます。

 

CIIAは各国の証券アナリスト資格を取得した人が共通の試験を受け、世界的に均一な水準で証券アナリストの能力を有していることを確認するための試験です。所属国のアナリスト資格を国際的に追認する意図があり、受験者を厳しく審査して振り落とす前提では試験が構成されていません。特に近年の合格率は非常に高く、2017年以降は第1単位、第2単位とも合格率が50%を超えています。合格率だけを見ると簡単な試験に見えてしまいますが、実際の問題は日本の証券アナリスト試験(CMA)よりもずっと難しく、CMAを受けた延長でそのまま受験すると落ちてしまうと思います。実際、自分も時間がない中で間に合わせの準備をして受験したときに落ちてしまいました。合格率が高いのは合格点が低く設定してあるからだと思いますが、合格点に達するためにはある程度体系的な学習が必要です。

 

2017年の合格者アンケートでは50-200時間の勉強時間が最も多くなっています。自分自身もこのレンジに属しており、200時間とは行かないまでも100時間は勉強しました。勉強は主に業務後に職場近くのカフェで行い、閉店となる22時まで机に向かいました。19時に退社できた日は3時間、21時までかかった場合は1時間という形で、主に平日の空き時間を勉強に充てました。CIIAの試験日は受験者の減少から現在は年1回、3月上旬に行われています。そのスケジュールを見越して、12月の試験申込の後約2か月半を使って勉強しました。週末を学習にあてられる方は同じ日程で200時間の学習時間を確保することができると思います。また、6か月前などの早いタイミングから学習を開始されていれば、余裕を持って試験に臨めると思います。

 

CIIA 試験アンケート結果

 

日本の合格率(%)

日本の受験者(人)

世界の合格率(%)

日本の受験者(人)

出典: 日本証券アナリスト協会HP

 

学習内容は過去問の解答と『要点の整理』という薄い冊子の通読が主でした。あいにくCIIAには対応するテキストがないため、過去問が主な学習ツールになると思います。ただ、問題と解答だけでは解答方法が分からないことも多いので、『要点の整理』を通じて習熟度の低いセクションの理解に努めるようにしました。過去問は分からない問題に当たっては理解に時間を割いてということを繰り返したため、100時間を使いながらもできたのは2回転程度でした。解答方法に習熟するためにも、3回は繰り返すことが望ましいと思います。問題で理解がないと特に難しいと感じたのは、経済、デリバティブといった分野でした。これらは『要点の整理』を用い、ある程度時間を割いて学習しました。その他の分野も公式を頭に入れておく必要のあるものが多かったので、それらにも時間を使いました。試験では公式集(Formulae)が配布されるため、公式の完全な暗記は必要ないですが、短時間で問題に解答していく必要があるため、ある程度頭に入れておいた方が良いと思います。

 

CMAで大して理解できていなくても解答できた、または飛ばしてしまっても他の分野の得点で補えたという状況は誰しも少なからずあったと思います。そうした弱点を補強する観点から過去問と『要点の整理』を積極的に使われると効果的です。特に経済、デリバティブは得意でない方は時間を使って復讐されることが望ましいと思います。コーポレート・ファイナンス、財務分析、株式分析、債券、ポートフォリオ・マネジメントは、CMAの知識と計算等の練習をすれば問題なく解答できるようになると思います。

 

次回は第1単位、第2単位それぞれの対策方法について書きます。