ペコちゃん金融

英語・金融の資格試験の受験記録と金融業界の動向についてのコラムを書いています。英語資格は国連英検特A級(2019年8月)、英検1級(2018年6月、東京都上位1%)、TOEIC 990を取得済(2015年10月)。金融はCMA、CIIA、CFA Level Iに合格し、現在2021年5月のCFA Level IIの結果待ち中です。金融業界の分析についてはこれから始めるところですが、投資銀行を中心にメディアの情報を拾い、自分なりの考えをコラム形式で書いていこうと考えています。

国連英検特A級: 一次試験対策(IX. エッセイ)

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国連英検特A級一次試験 IX. エッセイについて書いていきます。

 

エッセイは対策の中で採点を受けることができないため、20点も配点があるにもかかわらず得点を想定しにくいことが難点だと一般的に考えられていると思います。また、国連英検では国連知識を構成に盛り込んで論じることが求められるため、関連知識の勉強も付随することが煩わしく感じられていると思います。しかしながら、過去の受験者の得点には意外にばらつきが少ないため、得点は逆に想定しやすく、国連知識も指定テキスト『わかりやすい国連の活動と世界』の内容をある程度把握していれば対応できることから、一般的に持たれている印象よりは対応しやすいセクションだといえます。

 

まず想定される得点ですが、普通に書けば12/20点程度は取れます。時間切れで書ききれなかったという受験者が9点だった例がありますので、大崩れしても10点前後はもらえると想定されます。また、過去に76点の好成績で一次試験に合格した受験者もエッセイが13点でしたので、秀逸な文章を書けたとしても点数は伸びにくいと考えられます。自分が見てきた限り、一般的な合格者の得点は12点に集中していますので、この12点を確実に取れるように時間配分と国連知識の習得を行えば十分だと思います。

 

対策としては、120分の試験時間の中でどの程度をエッセイに割くか決めた上で、その時間内に200-250語の文章を書けるよう、過去問を用いて何度も練習することが必要になります。想定時間は人により異なると思いますが、80問あるマーク式の問題に100分は割く必要があると考えられるため、20分で構成の検討と執筆を済ませることをお勧めします。最初の2-3分で構成を決め、残りの17-18分で書き上げるイメージです。

 

文章構成は、英検1級と同様に序論、本論3段落、結論の5段落とすることが望ましいと考えています。過去問の模範解答では自由な構成で解答が論じられていますが、問題に対してよほど詳細な知識がない限り、自由な構成で論じることは難しいです。一般的なエッセイの手法に倣い、序論で結論の一文とそれをサポートする理由3点を記述し、本論で3点に関する具体的な論述を行った上で、結論で序論の言い換えを行ってまとめる方法が適していると思います。これであれば、問題に関連する深い国連知識を持っていなくとも、簡単に説明可能な内容を3点ランダムに列挙し、文章としてまとめてしまうことが可能です。具体的な知識を用いて論理を展開できるレベルまで国連知識を高めることは短期間では難しいですので、とにかく問題に関連付けられる知識を3点捻り出し、文章に仕立て上げるという方法が現実的で効率性も高いです。

 

国連知識ですが、これはI. 国連関連知識の対策として指定テキストの通読と過去問演習を行う中で自然と身に付きます。例えば、2018年度第2回の問題はFood Securityに関する国連の関与というものでしたが、指定テキストに記載された範囲の知識があれば、WHO、FAO、WFP、UNICEFといった機関が食糧問題に関わっていることが連想できます。後は各機関の役割に関する相違点を思い出しつつ、どの機関がどのように対応できるかを3点に分けて書けばエッセイとしての体を成します。自分はWHO、FAO、UNICEFの機能と果たすべき役割について1段落ずつ本論で述べました。結果は12点でしたので秀逸なエッセイという訳ではありませんでしたが、優秀な受験者が獲得した13点のレベルに自分のエッセイを高めることの費用対効果を考えると、この得点で十分だったと考えています。

 

このパターンを用いれば、基本的にどの問題にも国連機関の役割を絡めて論述できるようになります。環境問題の場合はUNEP、WMO、World Bank Groupといった機関が関わりを持っていますし、紛争問題の場合はUN Security Counsil、UN PKO、UNHCRといった組織・機関の関わりが連想できます。3点が簡単に思い付かない場合には、問題を派生的に捉えて異なる役割を持つ機関を絡めることでも対応可能です。環境問題であれば、人間に対する環境被害の観点からWHO、紛争問題では孤児の問題に絡めてUNICEFを起用することもできます。

 

IX. エッセイは対策が立てづらいセクションですが、指定テキストの知識を援用しながら時間内に規定の構成で文章を書き上げられれば、12点を基準としてある程度の得点が期待できます。逆にそれ以上の対策をしても点数は伸びにくいですし、途中までしか書けなかったにもかかわらず9点を取った例もありますので、このセクションについては及第点を取るために必要最低限の準備をする、という形で構わないと思います。指定テキストも丸暗記する必要は全くなく、一度通読した後は、エッセイを練習で書いた後にどういった構成ができたかをピンポイントで見直す程度で良いと思います。後はI. 国連関連知識の問題演習をする中で自然に国連の各機能に関する知識が付いてきます。

 

以上が国連英検特A級一次試験の各セクションの特徴と対策方法です。個別セクションの説明が多くなり、ブログ上で試験の全体像が見えにくくなっていると思いますので、次回以降もう一度一次試験の全体像について書きたいと思います。過去の受験者のセクション別得点分布、受験を通じて高められる能力、国連英検を受ける意義そのもの等について考察する記事を掲載していきたいと思います。