ペコちゃん金融

英語・金融の資格試験の受験記録と金融業界の動向についてのコラムを書いています。英語資格は国連英検特A級(2019年8月)、英検1級(2018年6月、東京都上位1%)、TOEIC 990を取得済(2015年10月)。金融はCMA、CIIA、CFA Level Iに合格し、現在2021年5月のCFA Level IIの結果待ち中です。金融業界の分析についてはこれから始めるところですが、投資銀行を中心にメディアの情報を拾い、自分なりの考えをコラム形式で書いていこうと考えています。

国連英検特A級: 二次試験(本番振り返り)

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国連英検特A級二次試験の本番を振り返っていきます。

 

二次試験は外国人の試験官に部屋に通される形で始まりました。入室すると、シニアな日本人の試験官と、入室を促した30代のアメリカ人の試験官が立っていて、笑顔で挨拶と自己紹介をしてもらいました。評価シート2枚と記入済みの面接シートを渡し、着席するように言われました。

 

先ず自己紹介をするように言われ、名前を言った上で家族、仕事内容について簡単に話しました。その後外国人の試験官が面接シートを眺め、目に付いた趣味のDrivingについて、詳しく話すよう聞いてきました。ここから実況形式で書いていきます。

 

アメリカ人試験官(以下🇺🇸): 趣味のドライブについて詳しく教えてくれますか?

自分(以下👱‍♂️): はい。休日に子供と鉄道博物館に行くことが習慣になっていて、関東圏内の色々な場所にドライブして出かけて行っています。

日本人試験官(以下🇯🇵): 電気自動車(EV)の今後の普及についてどう思いますか?

👱‍♂️: ガソリン車が未だに大多数を占めていますし、中東諸国の利害もありますので、普及には時間がかかると思います。ただ、サウジアラビアなどは再生可能エネルギーの普及に政策をシフトしているので、前向きな進展はあります。

🇺🇸: 米国企業のEV開発は進むと思いますか?

👱‍♂️: ガソリン自動車が中心の産業構造なので難しいと思いますが、個別企業による能動的な取り組みは見られています。

🇯🇵: EV普及のために国際社会は何ができると思いますか?

👱‍♂️: EVに対する補助金やガソリン車への課税など、政策的な面でEV普及を促すことはできると思います。国連については、排出ガス削減の観点から関わっていくことができます。

🇺🇸: 米国を排出ガス削減に関与させる上でどのような施策があり得ると思いますか?

👱‍♂️: 京都議定書では米国の関与を促すことに失敗しました。反省を生かし、義務を履行できなかった場合には罰金などの厳しい罰則を科すことが有効だと思います。

🇯🇵: 排出ガス削減目標達成のために、他にどのようなことができますか?

👱‍♂️: 発電手法の転換が必要です。議論の余地はありますが、自分は原子力発電も有効な手段だと考えています。

🇯🇵: 核廃棄物はどう取り扱えば良いですか?

👱‍♂️: 難しい問題ですが、フィンランドが地中深くに核廃棄物を埋蔵する施設をもつており、そうした最新技術を各国が活用すれば対応可能になると思います。

🇺🇸: 現在のアメリカの政策についてどう思いますか?

👱‍♂️: 世界経済に悪影響を与えており、問題だと思います。経済停滞によって財政的問題を抱える国も出てくるでしょう。

🇯🇵: それに対して国連はどう対応すべきですか?

👱‍♂️: 国連の関連機関による財政支援を通じて、健全な軌道から外れた国を元の軌道に戻す支援ができると思います。IMFのアルゼンチンに対する支援が一例です。

🇺🇸: 資金拠出だけで支援機関の役割は果たせますか?

👱‍♂️: 資金援助だけでは不十分だと思います。実際、IMFは財政支援決定に際し支援対象国の財政再建計画の提出を要求しますので、財政再建のプロセスを監視することで被支援国の財政が正常な軌道に戻ることを効果的に支援できると思います。

🇯🇵: SDGsについて、達成は可能だと思いますか?

👱‍♂️: 経済開発など、一部は達成可能だと思いますが、衛生、女性の地位向上など、経済発展に直接的に影響しにくい目標は注力が遅れて達成しにくいと考えています。

🇯🇵: 今後の国際社会で最も大きな課題となるのはどのような問題だと思いますか?

👱‍♂️: 人権問題だと思います。

🇯🇵: 北朝鮮の人権問題について国連はどう対処すべきだと思いますか?

👱‍♂️: 国連はこれまで石油製品等に関する経済制裁を行ってきましたが、それを人権問題に関してより厳しく活用すべきだと思います。また、個別の国々も積極的に関与すべきです。特に日本や、米朝会談をホストしたシンガポール、中国などのアジア諸国です。

🇺🇸: 面接はこれで終わりになりますが、最後に言っておきたいことはありますか?

👱‍♂️: はい。自分の業務に関して、現在国連投資責任原則に則った投資を行う企業が増えています。ESGに対する個別企業による意識の高まりが、ボトムアップ的に持続可能な開発の後押しをしていくと考えています。

🇺🇸: 試験は以上になります。ありがとうございました。

👱‍♂️: ありがとうございました。

 

以上の会話が15分の面接時間の中で行われました。前の面接ではアラームが鳴っていましたが、自分の回は鳴らなかったので、15分よりも短かったようです。上記は自分が答えようとして発話した内容ですが、実際に意味の通る英語で話せたかというと、そうではありませんでした。面接官に理解してもらえるような発音と論理構成ではなかったのではないかと今でも不安です。ただ、面接官の質問の傾向について把握して頂くことはできますので、自分の回答内容を割り引きつつ読んで頂ければと思います。

 

面接の傾向としては、面接官がフレンドリーに接し、話しやすい雰囲気を作りながら会話が繰り広げられていくことが確認できました。英検1級に比べると質問の自由度も高いようで、かしこまった雰囲気にならずに自然に会話が進展していくよう仕向けられていました。合格体験記にも同様の感想が書かれているものが多くありましたので、国連英検協会が二次試験で定めている方針なのだと思います。

 

面接の流れは、自己紹介と面接シートを使って最初の取っ掛かりとなる話題を見つけ、その回答を軸に質問が展開されていくというものでした。一旦特定の話題に関する質疑が終わると、面接官があらかじめ用意していたと思われるSDGsや米国の動向等について、話題を変える形で質問されました。他の受験者と共通の質問を投げかけ、回答能力を比較する意図があったのではないかと想像しています。異なる話題で受験者の評価に優劣を付けるのは難しいと思いますので、ベンチマークをいくつか置いていたのではないかと思います。

 

また、最後には、受験者が事前に準備したことを話す機会を得られるよう、今後の国際関係における主要課題や、最後に話しておきたいことといった、受験者が自由に話題を選ベル質問も用意されていました。面接シートに自分が話したい内容を記載することは面接の最初の場面で非常に重要ですが、もし話したい話題に質問が及ばなかったとしても自分でトピックを立てて話す機会は得られますので、事前に特定の国際問題を調べて得意な話題を作っておく意義はあると思います。

 

以上、国連英検特A級の一次試験、二次試験について、全体の振り返りと対策方法を一通り書きました。これから受験される皆様のお役に立てれば大変嬉しく思います。

 

この後は、国連英検特A級を受ける意義など、受験の動機付けに関する記事を書いていきたいと思います。